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4月, 2026の投稿を表示しています

忙しいからこそ必要です|在宅・施設看護師に伝えたいフィジカルアセスメントの本質

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施設の患者さんが「なんとなく変だな」って思ったこと、ありますよね。バイタルはそこまで悪くない。でも、なんか違う。で、電話するじゃないですか。クリニックや病院に。あ、入院中の患者さんでもありえますよね。主治医に電話する。 そしたら、「呼吸数は?」「食事量は?」「その所見どうですか?」って聞かれて。あー、そこ見てなかったな…って。で、もう一回確認して、また電話して。あれ、これ一回で終わったんじゃない?って。 こういうの、現場ではわりと普通に起きてますよね。 そんなときのフィジカルアセスメント 入院とは違って、在宅とか施設って、検査がすぐできないんですよね。だから、頼れるのは「問診」と「フィジカルアセスメント」。 ただ実際には、 忙しくて一部しか見れていない 思い込みで必要な所見を取り逃している 情報が足りず、医師とのやり取りが増える こういう状態、結構あると思います。忙しい現場ほど、系統立てたアセスメントが崩れやすいんですよね。 フィジカルアセスメントと情報共有の難しさ 施設で「なんかおかしい」と思って連絡したケース。でも、必要な情報が揃っていなくて、結局やり取りが長引く。 あるいは、在宅クリニックの看護師さんがドクターに報告したときに、「それで、呼吸数は?」「浮腫は?」って聞かれて、「あ、そこ取れてませんでした」みたいなこと。 これ、誰でも一度は経験あると思うんですよね。 あともう一つ。バイタルは正常だけど、なんか違和感があるケース。高齢者だと特にそうで、「異常だけどいつも通り」なのか、「いつもと違う異常」なのか、この判断が難しい。 ここが、フィジカルアセスメントの本質的に難しいところだと思っています。 スクフィジしようぜ すぐ略するの止めたほうが良いですよ。高校生じゃあるまいしと言われそう。ですが、じゃあ何が大事かというと、結論はシンプルで。 フィジカルアセスメントは「スクリーニング」として使う、です。 つまり、 まずは一通り、抜けなく見る 引っかかったところを深掘りする 重症度を判断する この流れ。 若い頃って、どうしても「異常を当てにいく」んですよね。でも実際は逆で、「異常はない前提で全部見る」ほうが精度は上がる。 これを教えてくれたのは好生館の某F先生。口頭で教えてもらったわけではないんですが、診察についていくと必ず全身診察してるんですよ。もう20年も前なのに...

“この先生じゃないとダメ”は本当に安心か—チーム医療の現実

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「先生が変わると不安なんです」これ、外来でも在宅でも言われますね。あの、正直に言うと、その感覚はすごく自然だと思います。ずっと同じ医師に診てもらう安心感、ありますよね。 都会では、主治医制ではないと訪問診療のクリニックを変えるところもあるようです。逆に働き方改革や女性医師の増加、働き方の多様性の増加が原因で「チーム医療」でないと働き手がいないという時代でもあるようです。 そのチーム医療って最近よく聞きませんか?本当に“一人の医師に依存すること”が、長期的に見て一番安定しているのか?少し考えてみましょう! 実際の行動として多いのは、「この先生じゃないと嫌だから、他は受診しない」という選択です。これ、短期的には合理的なんですが、長期で見ると少しリスクがあります。 例えば、 その医師が休んだときに対応できない 情報が属人化してしまう 別の視点が入らない 医療って、どうしても不確実性が残る領域なので、一人に集約しすぎると“揺らぎに弱い構造”、(≒緊急時に弱い構造)になりやすいんですよね。 主治医制の強みと弱み 現場にいると、これを強く感じます。医師も人間なので、インフルエンザにもコロナなりますし、入院が必要になることもあります。いわゆる「医者の不養生」ですね。そのときに、「この患者さんのことは自分しか分からない」状態って、正直かなり不安定です。 一方で、主治医が長く関わっている患者さんの“背景”や“価値観”は、カルテだけでは完全に再現できません。 ここは難しいところで、 属人的な強み 属人的なリスク 両方が同時に存在しています。 チーム医療の本質 チーム医療の本質は、単に人数を増やすことではありません。いくつかのポイントに分解すると整理しやすいです。 まず、複数の視点。 同じ症状でも、総合内科と循環器内科では見立てが変わることがあります。これはブレではなく、解像度の違いです。たとえると、天気予報に近いですね。東から見るのか、西から見るのかで、雨の予測が少し変わる。情報が多いほど、全体像は立体的になります。 次に、ミスの低減。 複数人で確認することで、単純に見落としは減ります。ただし、その代わりにコミュニケーションコスト(時間・手間)は増えます。なので重要なのはバランスです。 そしてもう一つ。 今は電子カルテの普及で、医療情報そのものはかなり共有しやすくなっています。 むしろ...

病気が治らない理由は体だけじゃない——疾病利得と自立の話

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「体調が悪い方が都合がいいかも」って、ふと思ったこと、ありませんか。 まー、言いにくい…いや言いにくくもないんですけど、僕はあります。 20歳くらいのとき、部活のラグビーで足を骨折して入院したんですね。4週間くらい。 で、これがね、びっくりするくらい楽で。「あ、なんか、のんびりできる…これ、いいな」って思っちゃったんですよ。 もちろん、ケガはしたくないんですけど、でも「休める理由ができた」っていう意味では、どこかホッとしていた。この感覚、ちょっと引っかかりませんか。 余談ですけど、ラグビーやっているやつで辞めたいと思ったことがないやつは偽物か本物です。 毎日、毎日僕らは鉄板の~ 日常がきつすぎると、どうなるか。 休む理由がほしくなる やらなくていい状態に逃げたくなる 無理しなくていい環境を求める で、その結果として、「不調」という形で表現されることがあります。これ、病気がウソだという話ではないです。ただ、“行動としての意味”を持っていることがある、という話です。 犯人は…キミではない!! 現場でよく感じるのは、こういうケースです。「治ったら困る環境が待っている人」は、回復が遅い。 例えば、 退院したらすぐ仕事復帰 家庭での負担が大きい 人間関係がしんどい こういう場合、体は回復していても、どこかで“戻りたくない”という力が働きます。 腰痛やめまいでもよくあります。腰痛も精神状態が悪いと長期化するって論文もあります。検査では問題が少ないのに、症状が長引く。これ、体の問題というより、環境とのミスマッチが強いケースですね。 正直に言うと、「症状が問題なんじゃなくて、環境が問題だな」と感じることは、少なくないです。 疾病利得 ここで出てくるのが「疾病利得」という考え方です。 簡単に言うと、“ 病気でいることで、何かしらのメリットを得ている状態 ”です。 Wikiによると… 病いであることから得られる利益。フロイトによれば、心的な苦痛を回避するために内的葛藤を抑圧し、その結果神経症のような症状へ逃避する第一次疾病利得(primary gain)と、疾病であることで周囲の者や社会から同情・慰め・補償などを得る第二次疾病利得(secondary gain)とに分けられる。精神療法では、これら疾病利得に由来する抵抗を解決し、患者の自我がふたたび現実に立ち戻れるようにすることが治療目...

家で治すという選択肢:入院関連障害とHospital at Homeを知る

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「入院させた方が安心ですよね」って、かなり自然な感覚だと思うんですよね。在宅医療を経験してみると、この感覚に多様性が生まれるんですよ。自分も入院という環境しかしらなかったし、在宅医療での治療成績も分からなかった。 僕ら医療者でも、ふとそう思う瞬間ありますし。家族としてだったら、なおさらだと思います。 ただ一方で、こういう違和感もあって。「入院したら元気がなくなった気がする」っていう話、聞いたことないでしょうか? じゃあこれ、どっちが正しいのか。そもそも「家で治す」って現実的な選択肢なのか。今回はそのあたり、現場ベースで少し書いてみます。 入院関連障害=入院による悪影響 実際の現場で起きていることをシンプルに言うと、 不安になると入院を選ぶ でも入院すると動かなくなる 結果として弱って帰ってくる この流れ、かなり多いです。 特に高齢の方だと、75歳を超えるとかなりの割合で、80歳を超えると半分近くの方で、入院をきっかけにADLが落ちると言われています。半分近くだからかなり多いってより、入院すると弱るって考えてたほうが良いかと思います。 つまり、「安全のための入院」が、別のリスクを生んでいる構造があるんですね。 ちゃんと英語の論文もございます。分かりやすそうなのが→Kenneth E at el. Hospitalization-associated disability: JAMA. 306(16):1782-93.2011ですね。 「助かる人はどこでも助かるし、難しい人はどこでも難しい」 これはかなり率直な話になりますが。急性期病院で働いていたときの感覚として、高齢者の急性疾患については「助かる人はどこでも助かるし、難しい人はどこでも難しい」というのが、一定数あります。 医者として、役にたってないんかい!と自らツッコみたくなりますが。まあ対症療法、きつさはだいたい取れます。でも、予後については、もちろん極端な言い方なんですけど。 例えば、一度は回復したけど食事が取れず、数ヶ月で亡くなるケース。あるいは、寝たきりに近くなって帰ってくるケース。 これは珍しくないです。と言うよりギリギリで連れ込まれた患者さんの7割はこれ。1~2割が元気で何も変わらず帰れる。1~2割がそのまま亡くなる。 あともう一つ大きいのが、家族の不安です。 本来は在宅で対応できたかもしれないケースでも...

直美は悪なのか?保険医から見たキャリアの現実と違和感

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最近ですね、研修医が終わったタイミングで、そのまま美容医療に進む、いわゆる「直美」と呼ばれるキャリアが増えてるって言われてますよね。クリニックで働いているとあんまりそんな感じはしないのですが。 あの、これって良い悪いの話、単純じゃないなと思っていて。「自分の人生なんだから好きにすればいいじゃないか」っていう感覚もあるし、でも一方で、何か引っかかる感じもある。 じゃあこの違和感って何なんだろう?今回はそこを、ちょっと整理して(可能な限り)、現場の感覚ベースで話してみようかなと思います。 直美って? 行動としてはシンプルで、「研修終了 → 保険医療には進まず → 美容医療へ」この選択が増えている。 理由も、まあある程度は想像つきますよね。生活習慣病って自己責任っぽく見える部分があるとか、高齢者ばかり診る構造とか、あとは…まあ正直、時間あたりの収益性、いわゆるコスパですね。今の時代、ここはかなり重視される。ただ、この行動が増えたときに、個人としては合理的でも、医療全体としてどうなのか、という視点はあまり語られていない気がします。 まーいいんじゃない? 正直に言うと、個人的には美容に行くこと自体に強い否定はないです。自分の人生なので。ただ、違和感がゼロかというと、そうでもない。 一番大きいのは、キャリアの可逆性ですね。つまり、あとで戻れるかどうか。 総合診療をベースにしていると、内科、救急、在宅、産業医、開業、ホスピタリスト…かなり選択肢が広いんですよね。 一方で、美容に特化すると、その後のキャリアチェンジは、体感としては難しくなる印象があります。 あともう一つ、これはあまり言われないんですけど、教育の問題もあります。 医療教育って、かなりボランティアに近い側面があって。上の世代が時間と労力を使って育てている。でも、その人たちがすぐ別の領域に行ってしまうと、「あれ、これって何のためだったんだろう」という感覚になることもある。 これは感情論かもしれませんが、現場では普通に起きていることです。 美容医療の構造的弱み 少し構造の話をすると、保険医療は「ニーズ」、美容医療は「ウォンツ」に近いです。 つまり、保険医療は「ないと困る」美容医療は「あると嬉しい」この違いは大きい。 例えば経済環境で見ると、保険医療はデフレに強い。美容医療はインフレに強い。ここ数年はインフレなので美容が伸び...

「値上げできない医療」が直面している現実と、それでも続ける理由

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フレーフレーインフレー 最近ですね、あの、ガソリン代とか、日用品とか、じわじわ上がってるの、感じてますよね。まー、ニュースでは「中東情勢」とか言われても、正直、どこか遠い話にも聞こえるんですけど。 でもですね、あれ、実は結構、日常に直結していて。で、その影響って、医療にも普通に来てるんですよね。あんまりこういう話って、クリニック側からは出てこないと思うんですけど、ちょっと今日は、そのインフレやら石油価格上昇の話をしてみようかなと思います。 たとえばですね、普段クリニックに来るときって、「いつも通り診てもらえる」っていう前提で来てると思うんですよ。でも、その「いつも通り」を維持するコストが、今けっこう崩れてきてます。 行動でいうと、 訪問診療で患者さんの家に行く 医療物品を仕入れる スタッフを確保する こういう、当たり前にやっている動きの一つ一つが、地味に、でも確実にコスト増になっています。 ただ、ここで一つ問題があって。医療って、基本的に「値上げできない」んですよね。 地味に効く… あの、例えばですね。訪問診療。 ガソリン代って、制度上は患者さん側に請求する形なんですけど、これ、当院では「固定」なんですよ。つまり、ガソリンが上がったからって、「今月から交通費上げますね」って、簡単にはいかない。で、結果どうなるかというと、上がった分は、クリニック側が吸収する形になります。 これ、地味なんですけど、結構効いてきます。 あと、物品ですね。医療材料。これも運送コストの影響を受けるので、普通に上がってます。正直、「あれ、これ前もっと安くなかったっけ?」っていうの、現場では頻繁に起きてます。 価格転嫁できず… ここで少し整理すると、医療機関のコストって今こういう状態です。 ガソリン代:上昇 医療物品:上昇 人件費:上昇 光熱費:上昇 ま、ほぼ全部上がってます。でも、これってどこの世界線もおんなじですよね~。 そして違うのは!収入にあたる診療報酬はどうかというと、例えば数%の改定があったとしても、インフレには全く追いついていません。 例えばガソリン。150円が155円になるレベルじゃなくて、もっと上がってるわけですよね。なので、今回診療報酬「3%上がったからOK」では、全然ない。 あと、あまり知られてないですが、医療って消費税を患者さんから取れない構造なんですね。でも、仕入れには...

「平凡を非凡に生きる」―医師織田正道先生の受賞から考えた、これからの医療と私たちの役割

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お世話になった織田正道先生の受賞パーティーに参加してきました!「お祝いのパーティー」と聞くと、どこか身内感のある、少し閉じた場をイメージしていました。 でも実際に会場に入った瞬間、あ、これはちょっと違うなと。いや、ちょっとではないな。かなり違うな…と。 まず目に入ってきたのが、お祝いのお花です。1列じゃなくて、2列で、しかも角を曲がってもずっと続いている。…どれだけの人が織田先生を祝いたいと思ってるんだろう?そう感じたところから、今回の祝賀会が始まりました。 医療機関から選ばれる医療機関 多くの方は「近いから」「なんとなく安心そうだから」といった理由で選ばれると思います。それ自体は自然なことです。ただ一方で、「本当に信頼できる医療機関かどうか」を判断する材料って、意外と少ないんですよね。 この先生は地域からどう見られているのか どんな人たちと関わっているのか どれだけ長く信頼を積み上げてきたのか こういった部分は、普段の診察だけでは見えにくい。今回の場は、そういう“見えない信頼”が可視化された場だったように思います。 参加されていた方々も印象的 県知事の方や企業の代表の方、医師会の先生方など、本当に幅広い。正直、場末のクリニックの自分がここにいていいのか!?と少し戸惑うくらいの空気感でした。 あとは、ちょっとした驚きでは医療のパーティーに、これだけ多くの政治家の方が来ている。これは今まであまり見たことがなかった光景でした。ただ考えてみると、医療って行政と切り離せないものでもある。近すぎても良くないし、遠すぎても機能しない。 その「距離感」をどう保つか。現場にいながら、改めて考えさせられる場面でした。 今回、強く感じたのは「信頼の積み上げ方」です 特別なことをしている(いや、織田正道先生は特別なこともされていますが…大切なことは…)、というよりはむしろ逆で、 人とのご縁を大切にする 頼まれたことを丁寧にやる 表に見えないところで役割を果たす こういった、一見すると地味なことを、長く続けている。 医療の世界でも同じで、「目立つこと」よりも「外さないこと」のほうが、実は信頼につながります。臨床でも患者さんの期待と、提供する医療がズレない。この“ズレの少なさ”が、安心感の正体なんだと思います。 例えば、風邪で受診された患者さんがいたとします。そのときに、「話をちゃんと聞いて...

医療費の無駄は誰のせい?現場の医師が感じている“ちょっとした違和感”

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今回のテーマは医療費の無駄!です。無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、無駄、むだぁぁぁぁ~!(イラストとオープリニングがマッチしていなーい) その検査、本当に必要ですか? これ結構よく聞かれるんですよね。「先生、この薬やめれませんか?」「先生、この検査って本当に必要なんですか?」って。で、率直に言うと、迷うことはあります。もちろん、絶対に必要な検査というのはあります。緊急性が高いとか、それをやらないと命に関わるとか、そういうケースは判断に迷いは少ないです。心筋梗塞を疑ったときの心電図とかですね。ただ一方で、「今やらなくてもいい」「やっても治療が変わらない可能性が高い」という場面も現実には多いんですね。 ここがポイント~!多くの方は「やった方が安心」と感じる。一方で医療側は「それが本当に意味のある介入か」を考える。この“安心のための医療”と“意味のある医療”の差が、結果として医療費の無駄という形で表に出てきます。ただ、これはどちらが間違っているという話ではなくて、そもそも医療の目的の捉え方が違うという構造の問題なんですね。 気づかないうちに増えている“医療の使い方” 医療費の無駄というと、過剰な高額治療や終末期医療の話をイメージされることが多いですが、実際にはもっと日常的な行動の積み重ねです。「とりあえず検査」「とりあえず薬」「とりあえず受診」。この“とりあえず”が重なることで、価値の低い医療が増えていきます。 例えば、会社から求められて受ける感染症の検査。流行を防ぎたいという意図は理解できますが、症状が軽い段階やタイミングが早すぎる場合、検査の感度や特異度の問題で正確な判断ができないこともあります。つまり、「やっているけれど、コントロールにはあまり寄与していない」という状態です。ゼロではないが、価値は低い。こういった医療は現場では頻繁に見られます。 正直、迷うことはあります 現場の感覚としては、「やるかやらないか」よりも「どのタイミングでやるか」「どこまでやるか」で迷うことが多いです。例えば、緊急性は低いが可能性は否定できないケース。検査しても治療方針が変わらないかもしれないが、患者さんの不安は強いケース。こういう場面では、医学的な合理性と患者さんの納得感のバランスを取る必要があります。 特に難しいのは“無価値ではないが低価値な医療”です。無価値なもの、例えば明らか...

ケースカンファを続ける理由。うまくいかない患者さんほど、学びが多い

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はい、2026/4月も院内ケースカンファを開催しました~!! うまくいかない患者さん、いますよね あの、ちょっと曖昧な言い方になりますけど。説明はしてるし、やるべきことも伝えてる。でも、なぜかうまくいかない方って、いますよね。手を差し伸べても距離を取られたり。こちらが関わろうとすると、スッと線を引かれる感じ。 その場では一応まとまるんですけど、あとでなんか引っかかる。あれでよかったのかな、とか。 まー、正解がある話ではないんでしょうけど。 問題は“病気”ではなく、“関わり方”で止まることがある こういうケースを振り返っていくと、病気そのものというより、「関わり方」で止まっていることが多いです。 例えば、 必要なことが続かない 情報がうまく共有されない 関係性が浅いまま進んでしまう こういった状態ですね。 で、これって単純に「やらない人」ではなくて、本人なりの理由や背景があることが多い。ただ、それが見えない。見えないまま進むと、少しずつズレていく。 この“ズレたまま進む感じ”が、一番扱いにくいところだと思います。 正直、こういうケースは消耗します 現場としては、やっぱり消耗はします。少し関係が良くなったかなと思ったら、また戻ったり。踏み込もうとすると、会話が終わったり。あの、もう少し聞ければ見えてきそうなのに、そこに届かない感じ。 で、内心では 「どう関わるのが正解なんだろう」とか、 「このままでいいのかな」とか、 揺れながら関わっていることも多いです。 きれいに整理できるケースばかりではない、というのが実際ですね。 パーソナリティは“調整する対象” カンファでよく出てくるのが、いわゆるパーソナリティの話です。ここで大事なのは、これを“治す対象”として扱わないこと。むしろ、「どう調整するか」という視点になります。 例えば、 自分でやりたい気持ちが強い 他人に任せるのが苦手 納得しないと動けない こういった特徴があるときに、正論を積み上げても、うまくいかないことが多い。なので、「正しいかどうか」ではなく、「納得できるかどうか」で考える。 この切り替えは、学びとして大きいところでした。 例えばこんな“よくある構造”です 例えば、具体的な症例というより、構造としてはこんな感じです。 本人のこだわりが強い 家族や周囲との関係に少し距離がある 医療側との情報共有が限定的 こうい...

DX 総合EXPO福岡2026(3/26)に行って思ったこと——「全部は要らない」という結論

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あの、DXって聞くとですね。なんか全部入れないと遅れるんじゃないか、みたいな空気ありますよね。 まー正直、自分も多少はそういうの感じていて。なので今回、DX EXPO福岡に行ってきました!!今まで東京でよく開催されていて、招待状(コマーシャル)が来ていましたので気になっていたんですよね。 流れを一回ちゃんと見ておこうかな、良いネタあるかな?という感じですね。ちなみに当院のICT、Dx担当者と2人で一緒にはるばる博多へ🚃 スタッフには「入れるとしても簡単なのにしてくださいね………」と送り出されました。 で、結論から言うとですね。「全部は要らないな」というのが正直な感想でした。 そのDX、誰のためのものですか? 会場を回っていて一番感じたのは、「あれ、これ誰向けなんだろう?」という違和感でした。というのもですね、全体的に300人規模とか、それ以上の企業を対象にしているものが多いんですね。 で、クリニックって、だいたい10人とか20人規模じゃないですか。そうすると前提がそもそも違うんですよね。まーつまり、良い悪いじゃなくて「対象が違う」という話で。 ここを間違えると、「なんとなく良さそう」で入れてしまって、結果的にコスパが合わない、ということになりやすいと思います。 正直に言うと「これはいらないな」も多かったです なのでですね、正直「これはうちにはいらないな」というものも結構ありました。 逆に「これいいな」と思ったのはRPAですね。ただこれも、労務の規模を考えると、今の人数だとコストを回収しきれないかな、という印象です。 ちなみにWindows PowerAutomateやUWSCなどはいじった(使ったまで至らず)ことがありましたのでRPAのイメージ自体はありました。 ICTやDXで大きく失敗した経験は、実はあまりなくて。 これは意図的に、いわゆるレイトマジョリティで入っている(つもり)からですね。ある程度、効果が見えてから導入するようにしています。とはいえ、トラブルがゼロかというとそんなこともなくて。オンライン資格確認なんかは、やっぱりちょっとした不具合はあります。でも、初期のトラブルはやはりかなり多いですから、ちょっと遅れて入って正解だったなと感じてます。 あと、スタッフの反応ですね。表立って大きな反発はないんですが、本当は負担に感じてい...

リフィル処方せんは本当に便利?医師が現場で感じるメリットと見落としやすいリスク

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ほい、今日はリフィル処方せんの話ですね。まー最近よく聞かれるので、ちょっと整理しておこうかなと。 リフィル処方せんっていうのは、簡単に言うと「1回受診したら、あとは薬局で繰り返し薬をもらえる仕組み」ですね。例えば3ヶ月分の薬が必要な場合、1回だけ受診して、あとの2回は薬局で受け取る、みたいな形です。 で、これ、確かに人によっては便利なんですよ。特に待ち時間が長い病院だと。通院回数減りますし、時間も取られない。 ただ、薬局には行かないといけませんからね。待ち時間が短いクリニック+長期処方だとメリットはあまりなさそうです。 便利なんですけど、あの、それって本当に全部いいことなのか?というのが今日のテーマです。 通院が減ることで、何が起きるのか まー単純な話なんですが、通院が減ると何が起きるかというと、「医者と会う回数が減る」んですね(1+1=2くらい単純…)。 で、これ、意外と大きくて。 例えば、診察のときって、薬を出すだけじゃなくて副作用出てないかとか、食事どうですかとか、運動できてますかとか、あとは、なんとなく調子悪そうだなとか、そういうのも見ています。 これが、シンプルに減ります。 あとですね、これはあまり意識されないんですが、予防接種のタイミングとか、健康診断ちゃんと受けてるかとか、仕事や家庭のストレスとか、そういう「病気じゃない部分」も実は結構見てます。 このあたりが、ごっそり抜ける可能性がある、ということですね。 で、建前としては、 「薬剤師さんが生活指導を補う」という話にはなっています。 ただ、現場感としてはですね…そこまで時間をかけて薬剤師さんが継続的に生活指導ができる体制かというと、正直、まだ難しい部分が多いかなと思っています。 これは能力の問題というより、構造の問題ですね。日本の医療って、どうしても薄利多売になっているので、時間をかけるほど収益性が落ちる仕組みなんです。 医療は利益だけで語るものではないですが、診療所も薬局も継続するためにはある程度の収益は必要です。 なので、理想はあっても、実装が追いついていない、というのが現状かなと。 リフィル処方せんのメリット・デメリット 一応整理しておくと、 メリットとしては、 ・通院回数が減る ・時間のロスが減る ・医療機関の混雑緩和 これは間違いなくあります。 一方でデメリットは、 ・副作用や変化の見逃し ...

不眠症は“寝る問題”じゃない?精神科ではない内科医が考える生活習慣と睡眠のリアル

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「眠れない」って、本当に眠れてないですか?外来をやっているとですね、「先生、眠れないんです」っていう相談、けっこう多いです。 で、よくよく話を聞いてみると、まーいろんなパターンがあるんですよね。 ・寝つきが悪い ・夜中に何回も起きる ・寝てるけど、すっきりしない ただですね、ここで一つ、ちょっとだけ引っかかることがあります。 「それ、本当に“眠れてない”ですか?」 意外と多いのが、「眠れてはいるけど、満足していない」というケースです。これけっこうよくあるんです。 不眠症は“夜の問題”ではなく、“昼の過ごし方”で決まる 不眠っていうと、どうしても「夜どうするか」に意識がいきます。でも実際には、昼の過ごし方の影響がかなり大きいです。 例えばですね、 ・夕方にうとうと寝てしまう ・コーヒーを夕方まで飲んでいる ・日中ほとんど動いていない こういう状態だと、そもそも夜に眠くならないんですよね。 あともう一つ。「寝よう寝よう」と頑張る人ほど、逆に眠れなくなります。 ベッドの上で2時間ゴロゴロして、「今日も眠れなかった…」ってなる。これ、実際には4時間寝ていたとしても、“眠れなかった体験”として脳に残るんです。なので、ちょっと逆説的なんですが、「寝る努力をやめる」ことが大事だったりします。 現場で感じる違和感——「不眠」と言われるけど… 現場感覚としてですね、いわゆる軽い不眠の方って、実はけっこう多いです。 例えば、 ・年齢的に必要な睡眠時間は満たしている ・でも若い頃と比べて「短い」と感じている ・寝ているけど「熟睡感がない」と感じている このあたりですね。 睡眠時間って、年齢とともに自然に短くなります。若い頃と同じように寝ようとすると、むしろ夜中に目が覚めるんですよ。 あと、「熟睡感」についてもですね。これ、日中の過ごし方にかなり影響されます。 例えば、小学生のときにプールの授業があった日。あの夜、めちゃくちゃ気持ちよく寝れませんでしたか?あれ、結局は「しっかり疲れていた」からなんですよね。逆に、1日あまり動いていないと、寝ても回復した感じが出にくい。これを「眠れてない」と感じてしまう。 このあたり、結構ズレやすいポイントです。 不眠症の基本を、シンプルに整理すると 細かい分類はいろいろあるんですが、ざっくり言うとですね。 ・他の病気(うつなど)に伴う不眠 ・そうではない一...

医療者が黙っていると思っていませんか?ペイシェントハラスメントと信頼のコスト

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それ、本当に「普通のクレーム」ですか? まー、日々診療しているとですね、いわゆる「クレーム」と呼ばれるものに触れる機会っていうのは、やっぱり少なくないです。で、多くの方は「自分はそんなことしていない」と思っているんですけど、ここが少しズレているポイントかなと思っています。 実はですね、「普通のクレーム」と思っている行為が、法律上はハラスメントに該当する可能性がある、ということはあまり知られていません。 じゃあその違いは何かというと、個人的には結構シンプルで、「感情のコントロールができているかどうか」この一点に集約されることが多いです。 医療現場で起きている「具体的な行動」 例えばですね、伝えたい内容以上に大声になってしまうとか、あるいは、対応が難しいと説明されても帰らないとか、長時間居続けるとか。こういった行動は、内容の正しさとは別に、ハラスメントと判断される可能性が高くなります。 あと最近感じるのは、「医療」ではなくて「サービス」を求めているケースですね。例えば、「この薬を出してほしい」と強く要求されることがあります。ただ、保険診療というのは、医師の診断のもとに必要な医療を提供する仕組みなので、患者さんが内容を決めるものではないんですね。 ここが、一般的なサービス業とは大きく違うところです。 「自分は関係ないかな」と思われた方もいるかもしれませんが、実際に現場で問題になる行為って、そこまで特別なものではないんですよね。 例えば、正当な理由がはっきりしないまま過度な要求を繰り返すとか、長時間その場に居続ける、あるいは電話で長く拘束する、といった行為。これも内容だけ見ると「よくあること」と感じるかもしれませんが、業務に支障が出るレベルになると、ハラスメントと判断される可能性が出てきます。 例えば…「抗生剤を処方されるまでは帰らない」「不要な検査を強要する」のもペイシェントハラスメントになります。また、同じ内容のクレームを何度も繰り返す、複数の窓口に同時に訴える、といった“リピート型”も現場ではかなり負担になります。 それから、やはり多いのが言葉の問題です。大きな声での威圧的な発言や、人格を否定するような言葉、執拗な責め立て。これらは内容の正しさとは関係なく、受け手に強いストレスを与えます。さらに、「対応しなければSNSに書く」「口コミで評価を下げる」といった形での...

ダイエットが続かない理由は“あなたの意思”ではありません ― 医師が考える肥満症外来のホントのところ

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ダイエットで一番怖いこと、何ですか? あの、ちょっと考えてみてほしいんですけど。ダイエットを始めるときに、一番怖いことって何でしょうか。 まー、「頑張っても痩せなかったらどうしよう」とか。「続かなくて、結局戻っちゃうんじゃないか」とか。あと、「きつい運動をやれって言われるんじゃないか」とかですね。 でも、外来で話していて一番よく聞くのは、そこじゃないんですよね。「医者に努力してないって言われるのが怖い」これ、結構多いです。なんかこう、「できてない=能力がない」みたいに言われる感じ。あれ、やっぱりプライドも傷つきますよね。 他には「ダイエットしてください(やり方は不明)」ってのも多いですね。というより自分も若い頃はアドバイスが足らない時期もあったと思います。 ダイエットは“短期イベント”になっていませんか? これまでに何回ダイエットしましたか?って聞くと、多くの方が「何回もやってます」と答えます。で、ちょっと痩せて、戻って、またやって。 これ、すごくあるあるパターンです。 ただ、ここで一つズレがあって。ダイエットって、そもそも「期間限定のイベント」じゃないんですよね。 どちらかというと、体重のコントロール=生活のマネジメント、です。 時間がある時もあれば、忙しい時もある。その中で、作戦を立て直していく。 「終わりがあるもの」としてやると、必ずどこかで崩れます。 頑張る人ほど、失敗しやすいという現実 これ、少し厳しい?言い方になりますけど。ダイエットって、頑張りすぎると失敗します。 あの、全力疾走って長く続かないですよね。短距離ならいいけど、長距離は無理です。 ダイエットも同じで、100%の力でやると、どこかで反動が来るんですよ。 あともう一つ大事なのは、「意思の力」に頼ると失敗しやすいという点です。 意思って、消耗します。疲れてる日、ストレスがある日、時間がない日。そういう時に「我慢しよう」とすると、だいたい崩れます。 なので、意思ではなく 「環境」でコントロールする。 例えば、 ・食事の内容をある程度固定する ・食べる回数を決める ・高カロリーのものは週1回にする(マイルールはラーメンは週1回まで!) こういう“ルール化”の方が、現実的にはうまくいきます。 医療としてのダイエットは、少し考え方が違います よく「何kg痩せたいですか?」と聞かれますが、医療的にはあまり...