DX 総合EXPO福岡2026(3/26)に行って思ったこと——「全部は要らない」という結論
あの、DXって聞くとですね。なんか全部入れないと遅れるんじゃないか、みたいな空気ありますよね。
まー正直、自分も多少はそういうの感じていて。なので今回、DX EXPO福岡に行ってきました!!今まで東京でよく開催されていて、招待状(コマーシャル)が来ていましたので気になっていたんですよね。
流れを一回ちゃんと見ておこうかな、良いネタあるかな?という感じですね。ちなみに当院のICT、Dx担当者と2人で一緒にはるばる博多へ🚃
スタッフには「入れるとしても簡単なのにしてくださいね………」と送り出されました。
で、結論から言うとですね。「全部は要らないな」というのが正直な感想でした。
そのDX、誰のためのものですか?
会場を回っていて一番感じたのは、「あれ、これ誰向けなんだろう?」という違和感でした。というのもですね、全体的に300人規模とか、それ以上の企業を対象にしているものが多いんですね。
で、クリニックって、だいたい10人とか20人規模じゃないですか。そうすると前提がそもそも違うんですよね。まーつまり、良い悪いじゃなくて「対象が違う」という話で。
ここを間違えると、「なんとなく良さそう」で入れてしまって、結果的にコスパが合わない、ということになりやすいと思います。
正直に言うと「これはいらないな」も多かったです
なのでですね、正直「これはうちにはいらないな」というものも結構ありました。
逆に「これいいな」と思ったのはRPAですね。ただこれも、労務の規模を考えると、今の人数だとコストを回収しきれないかな、という印象です。
ちなみにWindows PowerAutomateやUWSCなどはいじった(使ったまで至らず)ことがありましたのでRPAのイメージ自体はありました。
ICTやDXで大きく失敗した経験は、実はあまりなくて。
これは意図的に、いわゆるレイトマジョリティで入っている(つもり)からですね。ある程度、効果が見えてから導入するようにしています。とはいえ、トラブルがゼロかというとそんなこともなくて。オンライン資格確認なんかは、やっぱりちょっとした不具合はあります。でも、初期のトラブルはやはりかなり多いですから、ちょっと遅れて入って正解だったなと感じてます。あと、スタッフの反応ですね。表立って大きな反発はないんですが、本当は負担に感じている部分もあるかもしれません。
電子カルテの導入は、やっぱりハードルは高かったですね。ただ、これはもう「使う」と決めて続けるしかない。そうすると、だんだん慣れてくる、というのが実感です。
結局、何を基準にICTを選んでいるのか
じゃあ何を基準に入れているのかというと、シンプルでですね。
- コスト
- 手間
- 効果
このあたりの「総合力」で見ています。
特に医療機器の場合は、損益分岐点を超えられるかどうか、はかなり重要ですね。
うまくいった代表例:デジタルレントゲン
これは導入して良かったなと思うのが、デジタルレントゲンですね。もともとは、いわゆるフィルムのレントゲンで。暗室にこもって現像するタイプだったんですね。これだと、看護師さんが1人、だいたい5分くらい拘束されてしまうんですよ。さらにフィルム代もフィルムの銀もお値段が上がってきていて、コスト面でも負担が大きい。
それがデジタルになると、撮影して3〜4秒で画像が確認できる。これはかなりインパクトありましたね。単純に「楽になる」というのが大きいです。
既製品を“買う”だけではないやり方
あの、よく聞かれるんですけど。「何が一番違うんですか?」って。まーこれ、ちょっと特殊なんですが。うちはですね、院内のシステムを“外に丸投げしていない”ところかなと思っています。具体的には、弟が院内のシステム管理をやっていて。Googleのフォームとかスプレッドシートとか、そういうものを組み合わせて作っています。
例えば発熱外来のウェブ問診ですね。
これ、Googleフォームがベースなんですが、入力された内容がAPI連携でSlackに飛ぶようになっています。で、そのフォーム自体は、自分で鑑別診断しやすいように設計していて。「どこを聞けば判断しやすいか」を考えて作っています。連携の部分はサポートしてもらっているんですが、いわゆるパッケージ製品をそのまま使うのとはちょっと違います。
なので、システム利用料として外に大きなお金が出ていない。ここは一つの特徴かもしれません。
じゃあこれがなかったらどうなるかというと。
例えば発熱の患者さんを、その場で聞きながらカルテに入力していくと、どうしても目を見て話す時間が減るんですよね。
あとは、聞き漏れも出てきます。ウェブ問診だと、あらかじめ網羅的に情報が取れるので、そのロスがかなり減ります。
さらに、検査を希望するかどうか、どんな症状があるか、どの薬が必要そうか。そういったところも事前に整理されるので、カルテ入力の時間も短縮されます。
結果として、「カルテに時間を取られて患者さんが見られない」という状況を避けやすくなります。
患者さんの反応が良いICT
あと、患者さんの反応がいいのは、血液検査の結果をグラフで見せる機能ですね。数値だけだと分かりにくいんですが、推移で見せると一気に理解しやすくなる。「あ、下がってきてますね」とか、その場で会話が生まれるんですよね。
例えばこんな場面、ありませんか?
例えばですね。血液検査の結果を紙でもらって、「まあ大丈夫です」と言われても、正直ピンとこないことってあると思うんです。それがグラフになると、「あ、去年より良くなってる」とか、一目で分かるようになる。
もう一つは、繰り返しになりますがレントゲンですね。
撮影のたびに待ち時間が発生して、診察が止まるような状況。これがデジタル化でスムーズになるだけで、全体の流れがかなり変わります。
あとは、LINEでのやり取りですね。
これ、外来でも在宅でも使っているんですが、「助かる」と言ってもらうことはあります。
例えば血液検査の結果。わざわざ待たなくても、後から確認できる。
予約の調整もできる。
まー完全な自動化まではいっていませんが、手動のチャットでも十分便利だと感じています。
結果として何が起きているか
直接「DXがすごいですね」と言われることは、正直あまり多くはないです。ただですね、間接的な変化はあって。例えば発熱外来とか休日当番医で、「今日は無理です」と言わなくて済むことが増えました。これ、単純なんですが結構大きくて。受けられる患者さんの数が増えるということは、そのまま地域への貢献につながるので。
結果的に、「あそこに行けばなんとかなる」という認識には、少しずつなっているのかなと感じています。
デジタルスキルは“院内で育てる”
そこはもう割り切っていて。
タイピングの動画を共有したり、AIの使い方を伝えたり、OCRの使い方を説明したり。ある程度、こちらから材料は渡しています。できればですね、ここを卒業した後も通用するような、ビジネススキルとして持っていってもらえたらいいなと。
これは半分、教育ですね。
全部やる必要はないと思っています
なのでですね、DXだからといって全部やる必要はないと思っています。
- 自分たちの規模に合っているか
- 本当に効率化されるか
- 人の価値を下げていないか
このあたりを、一回立ち止まって考えるだけでも、十分意味があるかなと。
あの、これは結構大事なんですが。「いいものは、基本的に安くはない」です。DXを入れたら全部コスト削減になる、みたいな話ではないです。
ICTは手段であって、目的ではない
そもそもなんでICTを入れるのかというと、目的は効率化なんですよね。人が1人でできる仕事量を増やす。あるいは、単純作業を減らす。で、その結果として、人を余らせる、という発想です。
余ったリソースをどこに使うかというと、当院ではやっぱりコミュニケーションなんですよね。
なので、「ICTに強いクリニック」と言われると、ちょっと違うかな、という感覚で。どちらかというと、「効率化を考えているクリニック」ですね。
ICTの出来と利用価値の有無は違う問題だ。いずれにせよ使ってみて判断したいですね。
(引用:漫画「ヴァイキング」)DXが進むほど、人が大事になるのかもしれません
これからAIとか自動化が進んでいくと、ますます機械ができることは増えていきます。その中で、逆に価値が出てくるのは、人と話すこととか、ちょっとしたユーモアとか、そういう部分かもしれません。あの、結局ですね。DXを進めれば進めるほど、人の価値が浮き彫りになる気もしています。
まーこのあたりは、まだ途中の話なんですけどね。また現場で感じたことがあれば、少しずつ共有していこうと思います。
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