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AIで医療は楽になるのか? 織田病院の視察から考えた「DXのその先」

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いやー、最近の外来が当日の予約が埋まる埋まる。少し管理業務ができるかな、書類作成ができるかなと思っていたのだが、期待外れにも甚だしい。と、言うことで久々のブログです。まぁ、書類より困った人が優先ですからね。 病院DXをそのまま真似しない。 さて、先日、祐愛会織田病院を見学する機会がありました。もともと私自身が勤務していた病院でもあります。外観だけを見ると、そんなに大きく変わった感じはありませんでした。入口にはPepper君がいましたけどね。 一方で、中に入ってみると、医療現場でのデジタル機器やAIの使われ方、情報の見せ方にはかなり変化がありました。 実は今回、少人数で静かに見学するのかなと思っていたら、40人近い参加者がいました。江口医院からは私と看護師の2人で参加したので、端のほうに座りながら、「思ってた見学とはちがう~」と。多くの方は、ベッド上の状態をモニタリングする機器なども含め、医療・介護DXの実際を見に来られていたのだと思います。 ただ、今回私が見たかったのは、最新の機械そのものではありません。 こういう仕組みを入れると、医療現場の仕事は本当に変わるのか。 そして、 そこで生まれた時間を、医療者は何に使うのか。 DXは「機械を入れること」ではない 病院内を歩いていて、まず驚いたのは情報へアクセスできる場所の多さでした。看護師さんが情報を入力したり、確認したりするためのモニターや端末が、必要な場所にかなり配置されています。最近ではスマホもよくありますが、違いは患者さんを選ぶところがない。ベッドサイドに患者さん用モニタがあるからですね。地味に効きそうです。必要なところですぐ確認できる。ワンクリックで必要な情報にたどり着ける。それだけでも、仕事の流れはかなり変わります。 江口医院でも、「新しいシステムを導入する」ことばかり考えるのではなく、 スタッフがどこで情報を見るのか、どこから入力するのかというアクセスポイントを増やす ことは考えてもいいのかなと思いました。パソコン最近激高ですけどね。 また、体温、血圧、SpO2などについても、測定したデータをできるだけ人間が再入力しなくて済む仕組みが使われていました。こういうところを見ると、DXというのは派手なAIだけではありません。「測る」「書く」「転記する」「探す」という細かい作業を、一つずつ減らしていく。そういう積み...

クリニックはなぜ時間外診療をしてくれないのか?

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「あと10分待ってくれたら、着くので開けていてくれませんか?」 「18時半になら行けるのですが…」 「(17:30に)あと15分でつきます。(着かない)」 当院にもこんなケースは時々あります。受診したい気持ちや困っていることは実際分かっていて対応したい気持ちもあるのですが…。 病院における「時間外診療」は、多くの人にとってありがたい仕組みです。特に急な発熱やケガにも対応してもらえます。しかし、ほとんどのクリニックは時間厳守で閉まってしまいます。 なんて優しくない病院って言われそうですが、これって制度設計と報酬のバランスが崩れているために「割に合わない仕組み」になっているのです。 一般の方々から見れば、「仕事が忙しいから大変」「医療は公共サービスだから夜でも空いていてほしい」という感覚があるでしょう。ですが、医療も人が働いて成り立つサービスです。人件費、家庭生活、疲労の持ち越し――。これらの現実を抜きに「時間外を開けろ」と言うのは、いわばスタッフにサービス残業を強要するのと同じことになってしまいます。 以下では、実際の人件費や診療報酬の数字を使いながら、なぜ時間外受付が採算に合わないのかを具体的に見てみましょう。 1.時間外の「残業代」を数値で考える 医療従事者を時間外に残すには当然コストがかかります。ここでは仮に医師1名・看護師1名・事務1名が残る場合の人件費を考えます。 最新の 厚生労働省統計(e-stat) によると、全国平均で概算すると以下の時給水準です。 医師:約4,500円/時 看護師:約2,000円/時 医療事務:約1,200円/時 合計で 7,700 円/時 。これが、最低限かかる時間外労働の「給与コスト」です。 そして残業代としては通常25%割増が求められます。すなわち、 7,700円 × 25% ≒ 2,000円/時 が上乗せされる形になります。 では、時間外診療で医療機関に入るお金はどうでしょうか。現在の診療報酬体系では、時間外加算は 850円 に過ぎません。つまり、患者1人あたり850円増えるだけ。 単純計算すると、2,000円の割増を回収するには 最低2.2人の患者 が1時間に来院しなければ赤字です。もしくは受付、診察、検査、説明、処方、会計の全てを25分以内で済ませる必要があります。(本当はスタッ...

在宅医療で情報共有って、そんなに難しいの?——現場で感じる“質の違い” 第7回 日本在宅医療連合学会大会 in 長崎に参加して

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在宅医療連合学会大会 in 長崎に参加してきました。近いので当院スタッフも一緒に参加してきましたよ。プチ旅行な気分です。表の情報と裏の情報を収集してきました…(にやり)今回は在宅医療連合学会で手に入れたキーワードに対しての感想や考察ブログです。 在宅医療の現場で「情報共有が大事だよね」と言うのは簡単ですが、実際にやってみると、これが想像以上に難しい。いや、「難しい」というよりも、 そもそも“情報”の質がバラバラ なんですよね。 たとえば—— どの職種に、どんな情報を、どのくらいの粒度で伝えればよいのか。それは状況によって変わりますし、記録者の視点でも変わる。口頭で済む場面もあれば、文章や画像、動画が適している場面もある。そして当然ですが、「誰が記録するのか」「どこまで書くのか」「その作業が本当に現場にとって負担でないか」——ここも重要な論点です。 在宅医療の難しいところは、病院と違って医師は全てのチームリーダーではないんですよね。介護士さんに情報の共有を指導することは出来ず、「お願いベース」なんですよね。 また、情報共有で思い出すのは、病棟勤務時代のやり取りです。 医師「ちょっと、XXをOOさんに点滴しといて~」 看護師「……すみません、それは指示簿に書いてください」 この一連の“あるある”は、在宅医療でも形を変えて繰り返されます。 医師「チャットに書いたよ!」 看護師「いえ、それは正式に訪問看護指示書へ記録をお願いします」 といった具合です。 つまり、情報共有とひとことで言っても、その 質・伝達経路・正式性 がぐちゃっとしていて、現場は常に揺れ動いているわけです。 「これは共有すべき?」「これは誰宛?」「どこに書くのが正解?」——こんな問いを、在宅医療に関わる人たちは日常的に繰り返しています。 ツールを食べて、咀嚼して、育てる——SlackとLINEの併用 そんな中、当院で比較的うまく回っているのが、 SlackとLINEの併用 です。 Slackは、スレッド機能とチャンネル設計が秀逸で、情報の流れを視覚的に把握しやすいのが強みです。特に「これは誰宛なのか」「どこで議論が進んでいるのか」が見えやすく、チーム医療における“見える化”には向いています。ただし、医療業界全体では普及率がまだまだ低め。 一方、LINEはもう説明不要なほど普及してい...