じわーりと血圧が上がってきたあなたへ(トクホじゃダメダメ)──安心して続けられる治療と生活サポートを
1. そもそも高血圧って何? なぜ放っておけないの?
高血圧は、血管にかかる圧力が高い状態が続く病気です。健康診断で「血圧が高い」と言われたことがある方は多いでしょう。男性では40〜50歳頃から、女性では閉経後の50〜60歳頃から上がりやすくなるのが統計的にも知られています。
(引用:高血圧症ガイドライン2019)
「自覚症状がないから放置してもいいのでは?」と思うかもしれませんが、実は高血圧は脳卒中や心筋梗塞、心不全、腎硬化症などの重篤な病気のリスクを大きく上げる、怖い病気なのです。特に、これらの病気になると元の生活に戻ることが難しくなってしまいます。
高血圧は「沈黙の殺人者」と呼ばれ、症状が出にくいものの、確実に体に負担をかけています。だからこそ、しっかりと治療と生活習慣の改善を行うことが非常に重要です。
私自身も内服していますよ。自己判断ですが、睡眠時無呼吸症候群と遺伝的素因もあって30歳代から内服しています。慣れてしまうと飲むのは面倒でもないですね。最近ではサプリを飲むこともありますので内服自体のハードルは低いです。(食事運動療法から逃げているとも言える…)
2. 高血圧のリスク、タバコより怖い?
皆さんご存じの通り、タバコは健康に悪いですが、実は高血圧はタバコよりも死亡リスクが高いと言われています。血管に負担をかける点で共通し、脳卒中や心臓病の原因になります。
当クリニックでは、このようなデータやリスクを患者さんに分かりやすく示し、内服治療や生活習慣改善のモチベーションにつなげています。
(引用:高血圧症ガイドライン2019)
皆さん驚かれるのですが、意外と高いのは運動不足なんですよね。散歩しましょう!
3. 生活習慣の改善でどれくらい血圧が下がるの?
「薬は飲みたくない」「まずは生活習慣を見直したい」という方は多いです。実際、生活習慣の改善で血圧は下がります。
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減塩:日本人の平均食塩摂取量は約10〜11gですが、これを半分以下の4.6gに減らすと、収縮期血圧(上の血圧)が約5mmHg、拡張期血圧(下の血圧)が約3mmHg下がります。
塩分が多いのが、しょうゆ、漬物、みそ…と言われていましたが、最近ではキムチやカレーも高いとい言われています。 -
体重コントロール:体重を4kg落とすと収縮期血圧が約5mmHg、拡張期血圧が約3mmHg下がります。
人によってはもっと下がる人がいます。個人的には睡眠時無呼吸症候群の改善がそうさせているのではないかと睨んでいますが、論文はないです。 -
運動:有酸素運動や筋力トレーニングを継続すると、収縮期血圧が約4mmHg、拡張期血圧が約2mmHg下がると言われています。
ただし、多くの患者さんは血圧が140〜150程度まで上がっているため、生活習慣の改善だけで目標値まで下げるのは難しいこともあります…と言うより、難しいことが多いです。
(引用:高血圧症ガイドライン2019)
4. 薬は飲みたくないけど…不安と上手に付き合う
薬に対して「副作用が怖い」「ずっと飲み続けなければならないの?」と不安を抱く患者さんは多いです。
当クリニックでは、副作用のリスクや頻度、どのような症状に注意すべきかを説明し、患者さん自身が納得したうえで内服を始められるようにしています。
例えば、カルシウム拮抗薬によるむくみや、ACE阻害薬による咳の副作用、利尿剤の腎機能への影響などをわかりやすく伝えます。副作用が出た場合はすぐに薬を変更し、次の診察で経過を確認します。
また、薬剤選択ではコストパフォーマンスも重視しています。ジェネリック医薬品を中心に、効果と費用のバランスを考慮し、患者さんの負担を軽減。例えば、よく使われるエナラプリルやアムロジピンは1錠あたり約3円程度の自己負担で済みます。(薬剤会社がもたなくなってきていますが…涙)
ただし、あまりにコスパだけを追求しすぎると、血圧のコントロールが不十分になってしまうこともあり、そうした場合は高価な薬剤を使うことも説明し、患者さんの理解を得ています。
5. 二次性高血圧のチェックと専門医紹介
すべての高血圧が生活習慣病からくるわけではありません。まれに腎臓やホルモンの異常による「二次性高血圧」があります。
当クリニックでは、二次性高血圧を疑う場合、スクリーニングでホルモン検査など追加検査を行い、必要に応じて専門の病院へ紹介。現在は佐賀大学に紹介することが多いです。紹介後も内科疾患の状態を共有しながら併診でフォローします。
6. 生活習慣改善のサポート体制
当クリニックでは、患者さんの取り組みやすさを重視し、生活習慣改善の目標を小分けに設定。1ヶ月単位の短期目標を一緒に立て、達成感を持ちながら進められるよう支援しています。勿論!稀にこれ以上なし。完璧!みたいな方もおられます。
食事指導や運動療法の具体的なアドバイスはもちろん、禁煙支援も行い、患者さんの状態に合わせた柔軟なサポート体制を整えています。
7. 患者さんの声を活かしたクリニックの工夫
患者さんからは「薬の副作用は心配だけど、説明を聞いて安心した」「生活習慣の改善方法がわかりやすく、取り組みやすかった」といった声をいただいています。
当クリニックは、患者さんのフィードバックを治療方針やサポート体制に反映させ、常に改善を図っています。
8. まとめ
高血圧は怖い病気ですが、早期に対策を始めれば、重篤な合併症を防ぐことができます。
当クリニックは、高血圧だけでなく糖尿病や高コレステロール、ワクチン接種の推奨、その他の健康相談にも対応。患者さん一人ひとりのライフスタイルや不安を理解し、納得できる治療プランをご提案します。
薬の副作用や生活習慣の改善に対する不安も、丁寧に説明しながらサポート。患者さんが安心して治療を続けられるよう努めています。
気になることや不安があれば、どうぞお気軽にご相談ください。
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