もやる DNAR
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医者に質問😇😇
— にゃんでもにゃ医 (@lE9BrvyUwLLVZIE) February 25, 2026
拡散よろしく😇😇
要介護4の90歳女性が誤嚥性肺炎で入院した。家族との話し合いで心肺停止時は蘇生を行わないことになった。入院後の治療経過は良好であった。入院7日目に病室で患者が心停止しているのを看護師が発見した。看護師は蘇生処置を行うべき?
最近また、XでDNAR論争が起きていましたね。
DNAR:Do Not Attempt Resuscitation
心肺蘇生を試みない、という意味です。言葉だけを見ると、すごくシンプルです。でも実際は、結構複雑なんですよね。
上記の状況で、蘇生をするのか、しないのか。
これ、良い問いなんですよね。これだけ議論が起きるということは、みんな引っかかっている。つまり、軸が揺れているということです。
私は在宅医療を中心にやっています。急性期病院は紹介元であり、バックアップ面でも支えてくださる存在です。だからこそ、ACP、DNARは常に考え続けているテーマです。
訪問診療の開始時、私は必ず確認します。
「あらゆる疾患に対して、心停止時に蘇生を希望されますか?」と。
あらゆる疾患、です。
高齢者は急変が起きる可能性が高い病態です。脳卒中かもしれない。窒息かもしれない。心筋梗塞かもしれない。ちょっと乱暴な議論かもしれませんが、実際高齢者(心不全、腎不全)の患者さんの突然死は若い人の突然死より多く発生します。かつ、生命体としての余力が少ないため蘇生後の回復力があまりありません。
「全部やってほしい」と言われる方もいます。
「もう年齢と体力を考えて、人工呼吸器も含めてしないでほしい」と言われる方もいます。
ここでワンポイント!
蘇生は、多くの場合、延命医療の入り口になります。心停止の方を蘇生すれば、気管挿管、人工呼吸器管理、ICU管理へ進む可能性が高い。一般的にイメージされる「ちょっと胸を押す」だけでは終わらないことが多い。
延命治療を含めた蘇生を試みる。これが意外と共有されていません。
この世にザオリクなんてない。あってザオラル。ほぼパルプンテ。
蘇生率の話もあります。
以前調べた資料では、若年で高度救急医療体制の整った大学病院での蘇生成功率は約50%程度(ザオラル)。一方、施設で急変した場合は3%程度(パルプンテ)。
3%。つまり97%は亡くなる。
そして、その3%が「元通り元気に退院」かというと、そう単純ではない。寝たきり、重度意識障害、長期療養。その後の予後も決して良好とは言い難い。
でも。その3%に意味があるかどうかを決めるのは、私ではありません。家族です。ここが一番大事だと私は思っています。
Xで議論がかみ合わない理由。
文章が短いから、というのもありますが、もっと根本的な問題があります。みんな、違う軸で話している。
私は医療倫理の四分割表をよく使います。いわゆるJonsenの四分割表ですね。
1.医学的適応
2.患者の意思
3.QOL
4.周囲の状況(家族・法的・社会的背景)
DNARの議論は、この4軸がごちゃ混ぜになります。
「医学的に意味(効能)があるのか?」という話をしている人。
「高齢者にそこまでして良いのか?」という倫理観の話をしている人。
「家族が望んでいるならやるべき」という意思尊重の話をしている人。
「在宅なのか急性期なのか」という環境の話をしている人。
軸が違うから、合意が取れない。でも、みんな間違っていない。この4軸を同時に考えれば収集がつきそう。
医学的適応。本当に蘇生して回復可能か。
患者の意思。ACPでどう話してきたか。
QOL。蘇生後にどのような生活が想定されるか。
周囲の状況。家族の覚悟。急性期病院へ搬送するのか。在宅で看取るのか。法的リスク。
どれか一つだけで決めることは、ほぼありません。ただ、急変後にこの話を詰めるのは時間的にムリ…。
もう一つは主病名
老衰という診断が主病名とすると、これは進行性で、不可逆的です。死は、避けられないプロセスです。このとき、DNARは「治療をしない」という話ではなく、「どのように最期を設計するか」という話になります。
誤嚥性肺炎という診断が主病名だとすると、蘇生する可能性はありますよね。極端な話、50歳の咽頭がんを基礎疾患に持つ誤嚥性肺炎なら十分治療反応は良いですよね。
まとめ
最後に。私はDNARに絶対的な正解があるとは思っていません。でも、構造で考えることはできます。
四分割表で整理する。
感情だけでなく、医学的適応を確認する。
QOLを具体的に想像する。
家族の覚悟を言語化する。
そうやって多面的に考える。もし、急変のたびに迷うことがあるなら。もし、家族への説明で言葉に詰まることがあるなら。一緒に整理してみましょうか。
DNARは、論争のテーマでしたが、私たちが深く考えるきっかけをくれる問いでもあります。
こういう医療に共感してくださる方と、同じチームで働けたら嬉しいですね。
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