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11月ケースカンファ グループホームにおけるお看取り — 仕事を通して学び続ける環境

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さて、今月もケースカンファです。前回は 9月11日に開催 しました。前回はケア提供者に注目してみるという学びでしたね。 医療の仕事は日々、様々な患者さんと向き合うことから成り立っています。その中でも特に認知症を持つ患者さんが入居しているグループホームでのケアには、特別な配慮が必要です。 グループホームにおける医療提供の特徴はなんでしょうか!? 医療スタッフが常駐していないこと 認知症の患者さんが入居しているので、環境変化に弱いこと と、自分自身は捉えています。 グループホームは看護師の配置が原則必要ではありません。グループホームによっては日頃の体調管理を看護師に依頼していることはありますが、必須ではありません。点滴などの医療処置を行う場合は、訪問看護ステーションに依頼して特別訪問看護指示書(医療保険)でサポートしてもらう必要があります。しかし、特別訪問看護指示書は原則14日の支援であるため、それを超えた場合は施設でできうる医療のみでご納得頂く必要があります。 ここ!病院の勤務医の先生方も知っておいてほしいポイントです。訪問診療が入っていても、そこで治療ができない施設ってあるんです。 だから、グループホームで最後まで看取りをするところは限られています。その場合は、個人的には介護度が3になった時に医療職が配置されている施設に変更することをお勧めしています。 認知症がベースの患者さんが、環境の変化—特に入院—により、精神症状が悪化する可能性があることはよくあります。環境が変わることで患者さんの心が乱れ、以前は見られなかった症状が表れることもありますから、入院によるリスクを避けるという判断は慎重を要します。 さらに、私たちが直面する現実として、老衰などの終末期においては、入院することで得られる医療的な利益が少ないことが多いです。こうした患者さんの場合、環境の変化が精神面での負担を増やし、身体的にも無理に医療介入を行うことで、逆に質の高いケアが難しくなることもあります。したがって、入院の意義が乏しいと感じることもしばしばです。 ケース緩和を通じて学んだこと 最近、ある患者さんのケースカンファを行った際、その過程で多くの学びがありました。こうしたケースを通して感じたことは、単に医療技術や知識だけではなく、ケアチーム全体としての協力とコミュニケーションの重要性です。 私た...

ぶすりでパタリ ──VVR(血管迷走神経反射)と上手な付き合い方

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当院では看護師業務改善委員会という名のもとに看護師業務の改善に務めております。患者さんのためだったり、効率化のためだったり。今日は、採血のときに起こる 「VVR(血管迷走神経反射)」  が話題になりましたのでせっかくなのでブログにしてみます。 採血って、ルーティンの医療行為です。ただ、診療所でも 年に数回は失神が起きる 。 「そんなに?」と思うかもしれませんが、これはどの医療機関でも起こります。 そして、よく誤解されます。「採血が下手だったから倒れたんじゃないか?」 ──違います。 倒れる理由は 身体の自律神経反応 です。 周りの患者さんも相当焦りますよね。そして、次の採血待ちの患者さんは極度に緊張しています(そりゃそーだ)。 ■ VVRとは? 血管迷走神経反射(Vasovagal Reflex) ざっくり言うと、 血圧と脈拍が急にストンと下がる現象 脳への血流が減る → 一瞬意識が遠のく ほとんどの場合、 数秒で回復し、後遺症は残りません。 科学的には、「痛み・緊張・恐怖・不安」などの心理的ストレスによって迷走神経が刺激され、心拍数が低下することが原因です。 ■ 年齢と性別でリスクが変わる まずそんなに起きません。怖がりすぎないで(笑) 採血室での失神(VVS)発生率: 0.004% → 10万人の採血中、約4人。(大規模研究) 献血環境でのVVR発生率: 0.1〜0.5% ここ、現場の視点で特に伝えたいポイントです。 30代以下の男女 → 共通して倒れやすい。 一般的には「若い男性が倒れやすい」と言われますが、 女性も例外ではありません 。 「若い=強い」じゃない。「若い=VVRリスク高い」です。 「わー、私、VVR起きたわ、まだ若いってことね」って冗談を言う余裕はありません。  特に 採血前に緊張が強い 過去に倒れた経験がある 睡眠不足・空腹・脱水 こんな背景があると、ぐっとリスクが上がります。 ■ 現場でやっていること 問診=最も高い効果を持つ予防策 「過去に倒れたことはありますか?」「今日は食事取りましたか?」 たったこれだけで、リスク評価ができます。当院では在位(座った状態)で採血します。発生率から全員が臥床するのは効率が悪すぎます。リスクが高いときには臥...