MCI(軽度認知障害)を早く見つけるために知っておきたいこと
そんな場面は少なくありません。
認知症と正常のその中間に位置するのが MCI(軽度認知障害) です。
MCIは認知症とは異なり、日常生活はほぼ保たれていますが、記憶に関する変化が目立ち始める段階です。
そしてもうひとつ重要なのは、適切な関わりがあれば、正常に戻る可能性が十分にある…というのはいいすぎかな。進行を遅らせることが出来るという点です。
予防教室などの介入で認知機能が改善した報告もあります。
今回は、現場で関わることが多いケアマネジャーの方々を含め、高齢者支援に携わる方が知っておきたいポイントをまとめました。
1. MCIとはどのような状態か
MCIは次の3つが特徴とされています。
-
本人が「最近忘れやすい」と感じている
-
客観的にも記憶の低下がみられる
-
日常生活は概ね問題なく、認知症とは言えない
認知症と比べて生活の破綻がないため、周囲から見ても気づきにくいのが特徴です。
2. 気づきやすい小さな変化
訪問や相談対応のなかで、以下のような変化が見られた場合は、
MCIの可能性を考えてよい場面です。
● 日常会話ややり取りの中で
-
同じ質問を繰り返す
-
予定や日時の混乱が増えてきた
-
内容を理解するのに少し時間がかかる
● 生活面で
-
薬の飲み忘れが増える
-
外出や人との交流が減ってくる
-
支払いや書類管理のミスが増える、もしくは面倒くさがる
● 家族の気づき
-
「前よりぼんやりしていることがある」
-
「何となく生活のリズムが乱れてきた」
これらは劇的な変化ではありませんが、“以前と比べたら少し変わった” という視点が大切です。
3. 早めに受診をすすめるときの伝え方
本人が不安を感じやすい時期でもあるため、強い表現や否定的な説明は避けたほうがよいことが多いです。
例えば、次のような言い方が使いやすいかもしれません。
-
「最近気になることがあれば、念のため相談してみませんか」
-
「早めに確認しておくと、進行を防ぐ方法を選びやすくなります」
-
「今の段階で対応できることも多いので、安心材料として一度受診してみましょう」
「そろそろ物忘れが気になる年だけど大丈夫?」
MCIは“早めに気づけたほうが対応の選択肢が広がる”という事実を、穏やかに伝えることがポイントです。
4. 予防のために日常でできること
科学的に効果があると言われている取り組みとして、次の4つがあります。
● 運動 散歩や体操など、継続できる範囲の運動を。
● 食事 野菜や魚を中心に、塩分を控えめにした食事。
● 認知的な刺激 料理をする、会話を増やすなど、日常の小さな行動が刺激になります。
● 血管リスクの管理 高血圧や糖尿病の治療継続は、脳の健康に直結します。
ケアマネジャーの方であれば、ケアプランの中で生活習慣の整え方を一緒に検討する機会も多いと思います。
その際に、これらの取り組みをさり気なく盛り込むと役立ちます。
少し余談ですが、認知症は記憶を定着させるのが苦手な面もありますが、記憶を取り出すのが苦手な面もあります。インプットの練習だけではなく、アウトプットの練習をするのがこつです。皆さんアウトプットは面倒で嫌がられますが、
面倒なことは頭と体に良いんです!
5. 医療との連携について
医療機関に伝えてもらえると助かる情報は次のようなものです。
-
見守りの中で気になった行動の変化
-
家族が感じている違和感
-
発生している頻度や時期
-
服薬の状況
こうした情報があると医師や看護師が判断しやすくなり、必要な検査や支援につながりやすくなります。
まとめ
MCIは、はっきりとした症状が出ないぶん、家族や本人だけでは気づきにくい段階です。
しかし、早めに見つけることで、生活を維持するための方法が大きく広がります。
高齢者支援に関わる立場として、日常の中で見える小さな変化を大切にし、気になった時には医療につなげることで、その方のこれからの生活を守るきっかけになります。また、認知症に対する備えもできます。
必要があれば、医療の立場からも相談をお受けしますので、気軽に声をかけていただければと思います。
コメント
コメントを投稿