「感染症の正しい予防と治療ガイド|風邪から肺炎まで徹底解説」 抗微生物薬適正使用の手引き 第三版から
感染症に対する正しい知識と対策
江口医院では、以下の感染症などに対応しています。
- 感冒(風邪)、インフルエンザ、COVID-19、マイコプラズマ感染症、溶連菌感染症
- 急性胃腸炎、キャンピロバクター腸炎、肺炎、腎盂腎炎
- 在宅医療では、肺炎、胆嚢炎、腎盂腎炎にも対応
私たちは、症状や身体所見、血液データ、抗原検査、レントゲン、エコーなどの画像検査を駆使して診断を行っています。
抗菌薬の使用は正しく
すべての病気に抗菌薬が必要なわけではありません。例えば、風邪やインフルエンザの多くはウイルスが原因であり、抗菌薬は効果がありません。例えば、ライオンを退治するための武器を使って象を倒そうとするようなもの。正しい武器を選ばなければ意味がありません。
また、抗菌薬の誤用は体に悪影響を及ぼすことがあります。お母さんが作ってくれたカレーを毎日食べると飽きてしまうように、細菌も抗菌薬に慣れてしまいます。その結果、本当に必要なときに効かなくなってしまいます。
医師が「抗菌薬は必要ない」と判断するのは、体を守るための大切な判断です。抗菌薬は本当に必要なときに、医師の指示通りに使うことが重要です。
自然治癒力を信じて
体には病気を治す力があります。軽い気管支炎、鼻副鼻腔炎や風邪では、体の中のおまわりさん(免疫細胞)が3—7日で解決してくれます。
抗菌薬は特別な応援部隊です。軽い症状のときに呼び出すと、おまわりさんの働きが弱くなることもあります。
抗菌薬使用のルール
- 指定された時間と日数を守る。
- 症状が改善しても、最後まで飲み切る。
- 自己判断で服用を止めない。
点滴から飲み薬への切り替え
最初は点滴で強い薬を使用することがありますが、回復すれば飲み薬に切り替えます。
飲み薬に変えるタイミングは以下の通りです。
- 熱が下がったとき
- 食事ができるようになったとき
- 全体的に具合が良くなったとき
危険な症状を見逃さない
以下の症状が出たら、すぐに医師に相談してください。
呼吸がおかしいとき
- 息が荒い(1分間に22回以上)
- 息苦しさを感じる
意識がおかしいとき
- 反応が鈍い
- 起き上がれない
その他のサイン
- 高熱が3日以上続く
- 全身が震える
- おしっこが出ない
これらは体からのSOSサインです。早めに対処することで重症化を防げます。
医療職、介護職の方は、qSOFAスコア, SIRS診断基準を参考にしてみてくださいね。ただし、要介護状態の方は基礎疾患により基礎値が乱れている可能性もあります。いつもと違う指標に注意しましょう。
感染症治療の進め方
患者さんが体調が悪いとき、そして抗生剤なしでの治療に納得できない場合は検査を追加することもあります。また、抗生剤を処方しつつ、状況に応じて治療方針を再検討することも可能です。
治療効果は通常2—3日で判定します。改善が見られない場合、翌日でも全身状態が悪い場合は、治療を見直します。
感染症予防の基本
感染症の治療は薬物療法だけではありません。
予防方法
- 適切な休養と栄養
- マスクの着用と手洗い
- ワクチン接種(重症化を防ぐため)
治療中の注意
- 水分補給
- 栄養補助
- 十分な休養
江口医院の取り組み
当院では、抗菌薬の不要な使用を控え、適切な診断と治療を心がけています。クリニックの特性上、血液検査の即時結果が出ない場合もありますが、必要に応じて迅速に対応しています。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001329342.pdf
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