2025/09/11 ケースカンファを開催しました
- 長年関わった人の意見の重み
- 担当者の固定しすぎ功罪
- 家族以外の介護者の余力もモニタリングする
こうした気づきは、普段の診療ではなかなか表に出てこないものです。ケースカンファに参加することで、チーム全員の思考や経験を一度に吸収できるのが大きな魅力です。参加希望の方は、ぜひ次回の開催に注目してください。
ケースA:延命治療をするかどうかで意見が分かれた場合
仮想のケースですが、患者さんは高齢女性で、延命治療を望むかどうかで家族内で意見が分かれました。妻は自然な経過で見守りたいと考え、子ども世代は積極的治療を希望しました。こうした状況では、医師としては、どちらかに肩入れしにくいのですね。基本的にはキーパーソンにお話をして、家庭内で話してもらう。ただし、長年関わってきたケア提供者の意見を「尊重」することが非常に重要です。
自分が感じたのは、「結果論として正しかったかどうか」は後から分かるとしても、その人がどう考えてその意見に至ったかを理解すること自体が、チーム全体の学びになるのではないかと考えました。もう少し意見をシェア出来ると良かったかもしれません。ここで得られたのが学び①、「長年関わった人の意見の重み」でした。
ちなみに、このご時世パターナリズムを使用した意思決定支援は医師は苦手になってきています。説明義務違反がバズっている今日このごろですが、最近の医師はインフォームド・コンセント、意思決定支援が身についているので、「あんたは入院!!」みたいなパターナリズムな言動は不慣れでストレスで、ハイリスクだと認識するんですよね。そこはコメディカルのみなさんも知ってほしいポイントです。
ケースB:本人の希望と介護者の負担のバランス
次に、本人は「好きにさせてほしい」と考えていたケースを想定します。しかし、介護者やヘルパーの負担は既に限界に近く、日常生活の中で疲弊が見えていました。ここで自分が意識したのは、担当者を固定しすぎないことの功罪です。
固定担当者がいると、患者さんのケアは安定し、ナラティブも深く共有できます。一方で、その担当者が休んだり、急な対応が必要になった場合は脆弱になるリスクもあります。高齢者が多い訪問診療ですので、介護量は年々増加します。それを介護提供者、担当者が固定してしまうと介護力不足になってしまいます。
ケースBでは、複数の看護師で役割を分散させ、介護者の負担を調整することが、チームマネジメントの上で学びとなりました。
ケースC:入院か在宅かで意見が二分した場合
最後に、入院するか在宅で治療を継続するかで意見が分かれたケースを考えます。医師としては医学的に入院が不適応であると判断しても、介護資源の余力が限界に近い場合があります。こうした場合は、介護者の余力をモニタリングすることが重要です。
家族だけでなく、訪問看護師やヘルパーなど外部サービスの提供者も疲弊している場合があります。「曖昧に無理かも」と言われるよりも、「できない」と正直に伝えた方が、マネジメントはずっとやりやすい。ケースCでは、この点がチーム全体の学びとして大きく残りました。
ケースカンファは良いねぇ
今回のケースカンファを通して改めて感じたのは、カンファレンスは正解を出す場ではなく、学びを共有する場だということです。延命治療や入院・在宅継続の選択肢が複雑に絡み合ったケースでは、正しい答えは一つとは限りません。しかし、複数の専門職や長年関わる提供者の意見を組み合わせることで、より豊かな視点が得られます。
自分としては、今回の学びをまとめると次の通りです。
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①長年関わった人の意見の重み
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②担当者を固定しすぎない
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③介護者の余力をモニタリングする
こうした学びを得られる場として、ケースカンファは非常に価値があります。興味のある方は、ぜひ一度参加してみてください。医療現場で実際に動く多職種の思考過程に触れることで、日々の診療に役立つヒントをたくさん得られるはずです。

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