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【論文採択】当院の香月医師・院長が発表 - 転倒後の体調変化を見逃さないために

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今回は、当院の香月医師が第一著者として発表した最新の医学研究について、患者の皆様にもわかりやすくお伝えしたいと思います。 Katsuki NE, Eguchi H, Hirata R, Aihara H, Tago M. Low-Energy Trauma: Severe Liver Injury in an Elderly Patient from a Seated Fall. Am J Case Rep. 2024 Dec 27;25:e946094. DOI: 10.12659/AJCR.946094 香月医師の鋭い臨床考察、振り返りから生まれた発見 一見軽症に見える転倒でも重大な臓器損傷につながる可能性があることを、実例を通じて明らかにしました。この研究は、国際的なアメリカの医学雑誌「American Journal of Case Reports」に掲載されています。 なぜこの研究が重要なのか? 香月医師が報告した症例では、椅子からの転倒という日常的な事故が、実は深刻な肝臓損傷につながっていました。特に注目すべきは、以下のような一般的な胃腸の症状で発症したことです: 吐き気 嘔吐 おなかの痛み 下痢 これらの症状は、一般的な胃腸炎と見分けがつきにくいものです。 当院での診療体制 この研究成果を活かし、当院では以下のような体制で転倒患者さんの診療にあたっています: 詳細な問診・診察 必要に応じた適切な検査の実施:軽微な転倒でも血液検査や超音波検査を行い重症の疾患を除外します 継続的な経過観察 こんな時はご相談ください 以下のような症状がある場合は、ためらわずにご相談ください: 転倒後の体調不良で、いつもと様子が違う、食欲低下、顔色の変化、おなかや胸の痛みなどがある場合は骨、筋肉、腱などの整形外科疾患だけではなく、内科疾患が隠れていることがあります。 ただし、骨折などが疑われる場合は整形外科の受診が優先です。 地域医療への貢献 私たちは、研究成果を地域の皆様の健康管理に活かせるよう、日々努力を重ねています。転倒後の体調変化で気になることがありましたら、どうぞお気軽にご相談ください。 小さなクリニックでも、反省、検討を重ねて症例報告を行っていきたいと思います。知見が世界に広がり、それがまた他の医師の役に立ち、その地域医療に...

インフルエンザ診断後の大切なケアポイント

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このブログでは、インフルエンザについての基本情報、治療、療養方法、そして感染予防についてお伝えします。 1. 十分な休養を取る インフルエンザは体力を消耗する病気です。無理をすると症状が長引いたり、悪化する恐れがあります。ベッドでの安静を心がけ、体を温める。仕事や学校を休むことを優先する。 2. 水分補給を忘れない 発熱や発汗による脱水を防ぐため、こまめな水分補給が大切です。水、スポーツドリンク、経口補水液などを適宜摂取する。喉が渇いていなくても、少量ずつ頻回に飲むことを意識する。 3. 栄養バランスの良い食事を摂る 免疫力の維持・回復を助けるため、バランスの取れた食事が推奨されます。消化の良いもの(お粥、スープ、ヨーグルトなど)を選ぶ。食欲がないときは無理せず、少量ずつ食べる。 4. 体力回復をサポートする生活習慣 症状が治まった後も、数日は激しい運動を控える。ビタミンやミネラルを豊富に含む食品(野菜、果物など)を摂る。 高齢の方はリハビリも大切です。 インフルエンザの症状と持続期間 インフルエンザの主な症状には、高熱、倦怠感、頭痛、筋肉痛、咳、喉の痛み、鼻水などがあります。症状の持続期間は以下の通りです:(タミフル海外第三層試験を参照) タミフルを内服した場合 :平均78.2時間で症状が軽快します(95%信頼区間:72-88時間)。 内服しなかった場合 :平均112.5時間で症状が軽快します(95%信頼区間:101.5-119.9時間)。 なお、早期に治療を開始するほど効果が期待できます。 抗インフルエンザ薬について インフルエンザの治療として、当院で処方しているのは以下の3種類の薬です。どの薬も効果に大きな差はありませんが、特徴があります。 タミフル(経口薬) 内服タイプ。1日2回、5日間服用。子どもから高齢者まで幅広く使用されています。 ゾフルーザ(経口薬) 1回の服用で済む簡便さが特徴。薬価は他の薬よりも高め。 イナビル(吸入薬) 1回の吸入で完結。吸入が苦手な方には向いていません。 当院では、経口摂取ができない患者様向けの点滴薬ラピアクタは取り扱っておりません。 療養期間について インフルエンザの療養期間は、“発症翌日から5日間”、かつ“解熱後2日間”が目安とされています。ただし、以下の点にご注意ください: 感染力について :症状が出はじめ自体が曖昧なこ...

「在宅緩和ケア充実診療所」に登録されました!

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地域医療の新たな一歩:在宅緩和ケアの進化 このたび、当クリニックは「在宅緩和ケア充実診療所」として正式に登録されました。「在宅緩和ケア充実診療所」の登録を受けるにあたり、一定の準備が必要でしたが、それを乗り越えることで、一定の量と質の緩和ケアの提供をしてきたという実績が認められたことは嬉しく思います。 地域の患者さんにより質の高い医療を提供できる環境を整えることができたと感じています。これにより、地域の患者さんにさらなる高品質な医療サービスを提供する準備が整いました。本記事では、この登録の意義と当クリニックの取り組みをご紹介します。 1. 在宅緩和ケア充実診療所とは? 「在宅緩和ケア充実診療所」とは、自宅で療養する患者さんに対し、痛みや症状の緩和を目的とした質の高いケアを提供する診療所のことです。登録されるには、一定の基準を満たす必要があります。当クリニックでは、看護師の訪問ケアや医師との連携を強化し、患者さんのニーズに応える体制を整えてきました。 なぜ「在宅緩和ケア充実診療所」という制度が必要なのか? 近年、自宅で家族と過ごしながら最期を迎えたいと希望するがん患者さんが増えています。しかし、実際には自宅で亡くなる方の割合は大きく変わっていません。 その背景には次のような課題があります: 切れ目のない在宅医療体制が不足している 入院と在宅医療の間でスムーズな連携が取れていないため、患者さんやご家族が不安を抱えることがあります。 緩和ケアの知識や技術の不足 在宅医療を支える医師や看護師の中には、がん患者さん特有の痛みや症状に対応する専門的な知識が十分でない場合があります。 これらを解決するために「在宅緩和ケア充実診療所」という仕組みが生まれました。 「在宅緩和ケア充実診療所」って何? 「在宅緩和ケア充実診療所」とは、自宅で過ごすがん患者さんが安心して医療を受けられるようにするための特別な制度です。この診療所では、患者さんとそのご家族に寄り添い、以下のような特徴を持っています: 24時間対応の体制 夜間や休日でも往診が可能です。ただし、救急車のようにというより、慢性期の病棟に近いスピード感になります。しかし、当院では事前の処方で9割が対応が可能で、出血や呼吸苦などに対しては可能な限り迅速に対応しています。 高い看取り実績 最期を自宅で迎えることを支援し、その実績を持つ医...

ケアマネージャーとの連携を考える:院内勉強会からの学び

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先日、開催されたケアマネージャーの講義に参加しました。この勉強会では、ケアマネージャーの業務内容や日々の取り組みについて学ぶ機会を得ました。以下は、勉強会を通じて得た印象深い点や新たな発見についてのまとめです。 印象に残った点 ケアマネージャーの専門性と課題 ケアマネージャーが提供するサービスの多様性と、その業務の幅広さに改めて驚きました。特に、地域の高齢者や家族を支える「シャドウワーク」が非常に多いことが印象的でした。民生委員や家族では対応しきれない部分をケアマネージャーが担い、まさに「便利屋」のような役割を果たしている現状が浮き彫りになりました。これで良いのかは議論が必要ですし、厚生労働省も問題視しています。(シャドーワークの統計やアンケート調査が既に取られています)また、病院やデイサービスがそれぞれ明確な役割を持つ中、ケアマネージャーだけが「便利屋」として多岐にわたる業務を担っている点に課題を感じました。この役割がなければ、現実的にサービス提供が難しい一方で、業務過多になっている現状も見えました。 ケアマネージャーの教育プランが進化している点にも注目しました。従来は利用したいサービスが先行する形でプランが組まれることが多かったのに対し、これからはアセスメント(評価)を重視し、個々の状況に合ったプランを策定する方法が普及していくのではとのことでした。これにより、サービス選択がより適切かつ効果的になっていると感じました。一方、自前のサービスを前提とした囲い込みが難しくなりそうです。ただし、地方ではそもそも選択肢が少ない可能性もあります。 ケアマネージャーとの連携で重要なポイント よくケアマネージャーとの調整するのは、訪問診療日の調整です。医療と介護サービスの重複を避けるため、訪問診療日が変更される場合には、他の介護サービスのスケジュールも再調整が必要です。また、訪問ヘルパーの不足も深刻で、スケジュールを組む際にヘルパーの都合を優先せざるを得ない状況も多々あります。 さらに、情報共有のあり方も重要です。ケアマネージャーが伝言役となる場面では、ケアマネージャーを挟まず、担当する部署同士が直接的な情報交換を行うことが効率的であると感じました。 今後の活用方法と期待 今回の勉強会を通じて、介護ニーズの拾い上げや他職種との連携を一層意識する必要性を感じました。医療と介護が密...

佐賀県緩和ケア地域連携カンファレンスに参加して(その2) 在宅医療と緩和ケアの両立

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在宅医療の特徴と緩和ケア病棟の強み 在宅医療では、患者や家族の意向に沿って、治療と緩和ケアを柔軟に組み合わせて提供できます。一方で、病棟の緩和ケアでは原則治療は行えません。しかし、次のような強みがあります。 看護師がすぐに対応できる(5〜10分以内) 緩和ケア病棟は7対1という看護配置基準となっています。比較的恵まれた配置基準のため速やかな対応をしてもらえることが多いです。 (余談ですが、ナースコールを押しても来てくれない問題の8割は看護配置基準にあると思います) 在宅医療も依頼があれば勿論訪問してくれますが、どうしても迅速性は病棟の方が早いです。 硬膜外麻酔、脊椎麻酔やブロック注射など、痛みを取るための追加オプションがある 麻酔科、ペインの専門の先生方がおられますので、在宅医療にはない選択肢があります。疼痛や倦怠感、麻薬の副作用が通常の緩和ケアで対応しにくい場合は緩和ケア病棟は良い選択肢です。 環境が整っているため、体を支えるケアがしやすい ご自宅だと稀に布団のこともあります。シャワーや入浴の補助は自宅でも訪問看護師でも可能ですが、機械浴レベルになると緩和ケア病棟でないと無理ですね。 患者が感じる(と思う)在宅医療と病棟の違い トイレ問題 在宅医療では訪問看護師が1日2~3回ほど訪れるケースが多く、トイレのタイミングが合わないことがあります。これに対し、病棟では看護師のサポートがあるため、体力が落ちてもオムツに頼らずトイレに行ける環境が整っています。 つまり、自宅に居たいなら比較的早期にオムツケアになります。病棟にいると介助で立位が保てている間はトイレにいけます。ただし、病棟にいるとトイレの順番待ちも起こるので注意が必要です。 お風呂の問題 病棟ではお風呂の順番や曜日、入浴時間が決まっており、自由に入浴できない点がデメリットです。在宅では昼でも夜でも入浴が可能ですし、急がされずにのんびりと入ることができるのがメリットです。 面会の自由度 在宅医療では、家族が仕事終わりなど自由な時間に会いに行けるのが強みです。病棟では面会時間が決まっているため、特に小さな子供(孫など)との面会が難しい場合があります。 まとめ ACPの進め方や在宅医療・緩和ケアを通して大切にしているのは、患者の価値観を尊重し、家族と共に最適な選択肢を見つけることです。患者や家族が抱える悩みや要望に耳...

佐賀県緩和ケア地域連携カンファレンスに参加して(その1) ACP(アドバンス・ケア・プランニング)の重要性とその進め方

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がん患者のACPとがん検診の関係性 最近では、病院や医療者の間でACP(アドバンス・ケア・プランニング)の話題が多くなっています。専門医と違ってプライマリ・ケア医では患者や家族とACPを進める際、特にがん患者においては、 がん検診を受けるかどうか が一つの重要な分岐点になるような気がしてきました。 例えば、早期発見を目指してがん検診を勧めても、「検査は受けたくない」「これ以上生きる必要はない」と感じる患者も少なくありません。この選択は、その方の価値観や生き方の表れでもあります。 ACPの最適なタイミング ACPを進める最適なタイミングについて、一般的には「1年以内に病状が悪化する可能性があると感じた時」が一つの目安になります。 しかし、病気の種類や進行状況によっては、1年前では患者の体力やADL(日常生活動作)が低下してしまい、残された時間に対して何か行動を起こすのが難しい状況も多く見られます。 ただし、個人的には特別な行動は取れなくても、「共にお茶を飲む」「一緒に時間を過ごす」といった日常の小さな出来事にも価値があると感じています。 家族と医療者が準備すべきこと 家族の準備 がんの意思決定支援においては、「生活にどのような支障が出るのか」「それがいつ頃から出るのか」を理解し、自分たちが大切にするポイントを明確にしておくことが大切です。 是非、当ブログ「 がん患者さんの質問促進リストと意思決定支援ガイドのご紹介 」も参考にしてみてください。 医療者の準備 医療者に求められるのは、病気の「ナチュラルコース」をしっかりと話せることです。 「平均的な経過」「思った以上に悪い場合」「予想より良い場合」それぞれにおいて、どのような生活への影響があるのかを患者や家族と共有することが重要だと考えています。 曖昧なキーパーソンやキーパーソン変更への対応 キーパーソンが曖昧な場合、情報共有が難しくなることがあります。例えば、夫の母親が病気になり、妻が情報収集を担当する一方で、意思決定は夫が行うケースです。このような状況では、伝言ゲームが発生しやすく、うまく情報が伝わらないことが多いです。そのため、医療者は「本当のキーパーソン」に直接話をすることが、納得できる選択を支えるためには重要です。また、伝言役となる人も精神的なストレスが多くなります。先の例では、夫が質問したくて妻にしても答えは...

難病患者訪問従事者など研修会の参加報告 2024/12/03

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今回、研修会に参加し、難病患者を巡る現場の課題や新たな治療法について学びました。以下は、その内容を簡潔にまとめたものです。 難病患者の現状と課題 好生館江里口先生からは、脳卒中患者の救急対応や外来診療に追われる中で、難病患者の診療が後回しになる現状が報告されました。特に、ALS(筋萎縮性側索硬化症)患者の対応に時間がかかり、訪問診療や在宅看護の支援が重要とされています。 難病の疫学と地域性 ALS患者 :全国平均で10万人あたり1~2人が発症。佐賀県では約72名の患者が確認されています。有病率は佐賀が高いと聞いています。また、患者の高齢化が進んでいます。 プリオン病患者 :全国では26万人に1人の発症率ですが、佐賀県は8万人に1人と高く、注目されています。 ALSの特徴と診療ポイント ALSは運動神経細胞の変性が主な特徴で、感覚異常はありません。しかし、患者の約20%が認知症を併発します。この認知症は記憶障害ではなく、実行機能障害や注意力低下が主症状です。また、患者が発語困難となるため、診断時にはコミュニケーション方法を検討する必要があります。 診療の現場では、以下の点が強調されました: 診断後の生活支援 :身体障害者手帳や障害年金の手配、介護保険の利用。 コミュニケーション支援 :声の録音や適切なツールの選定。 栄養・呼吸管理 :嚥下機能低下に応じた対応の検討。 新たな治療法と展望 ALSの治療は進展を見せています。今年、新たな治療薬が承認されました。 エダラボン :特に嚥下障害がある患者に効果的で、生存期間を延ばす可能性があります。 SOD1遺伝子変異に対する薬剤 :遺伝子診断を経て、髄腔内に薬剤を投与する治療法が実用化されつつあります。これにより、神経細胞への悪影響を抑制する効果が期待されています。 ケースカンファ 本研修では、現場での課題や工夫、そして難病患者やその家族との関わりについて具体的なケースを交えながら深く議論されました。 患者や家族が病気を受容できておらず、現状とのギャップに苦しむ姿も共有されました。ある参加者からは、「こちらから説明をしても受け入れられない場合が多い」との声もあり、病気の受容に関する課題が浮き彫りとなりました。 介護保険を活用しながら訪問介護やショートステイを利用していますが、ご家族との関係が問題となっています。特に、家族が患者...

若手医師のキャリア振り返り会に参加して感じたこと

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先日、佐賀大学総合診療部で開催された「若手医師のキャリア振り返り会」に参加しました。この会は、研修医や若手医師たちが自身のキャリアを振り返り、今後の進路や目標を見つめ直す機会として行われています。医師2年目から5年目くらいまでの先生方が参加し、それぞれの経験や考えが共有されました。この医師の期間を専攻医と言います。研修医と指導医の間ですね。 専門医取得の道のりと課題 特に印象的だったのは、内科専門医取得のために必要な「症例登録と考察」に関する意見交換です。このプロセスは、登録する症例数が増加しているため、以前よりも大変になっていそうです。例えば、かつては25例程度だった症例登録が現在では50例以上必要であり、それに伴うレポート作成や考察の時間確保が難しいようです。 さらに、若手医師たちは夜勤や救急対応に追われる中で、研究や症例考察の時間を確保する難しさがあるのではないかと思います。少し時間が空いても、病棟から電話がなって集中できないことは自分もありました。集中してきたー!と思ったら、熱発のコールや病状説明依頼があるんです。こうやって第一領域(重要かつ緊急)の仕事に押しつぶされて、第二領域(重要だが急がない)に時間が割けないことは問題です。こうした状況に対し、上級医が臨床現場から離れる時間を若手医師のためにサポートし、研究や振り返りの時間を確保する仕組みづくりがあっても良いのかもしれません。 そういった時間を大学病院で取ることは良いことだと思います。大学病院は論文や研究資料へのアクセスのしやすさが開業医より段違いに良いです。一方で、開業医になると、そのようなリソースが限られているため、情報収集が難しくなるという現実があります。このような点から、定期的に大学病院での研究時間を確保する仕組みや、リソースの共有ができる環境は重要ではないかと考えています。 自身のキャリア振り返り 今回の会を通じて、私自身のキャリアを振り返る機会となりました。私は跡継ぎとして自然な流れで開業医の道を選びましたが、各専門科の最先端医療だけではなく、基礎となる病態をもっと勉強していれば良かったという後悔もあります。また、家庭医療学との出会いが私の価値観を大きく変え、高齢化社会におけるその有用性を強く感じています。家庭医療学は臨床医学の基礎だと思っていますので、専門医に進む先生、研修医の先生にもお勧...

国立病院機構佐賀病院情報交換会 地域医療連携と高齢者医療の未来を考える

  ―江口クリニックの視点から― 地域医療の現場では、患者さんとそのご家族の声に耳を傾けながら、医療機関間での連携が重要な役割を果たしています。今回のブログでは、現状の課題と今後の展望を国立佐賀病院との情報交換会の内容をもとにお届けします。 地域医療連携の現状と課題 地域連携室の迅速な対応は、患者さんの診療や入院手続きの面で非常に大きな助けとなっています。例えば、佐賀病院との連携では、必要な情報が約15分で収集され、入院可能かどうかの判断が速やかに返ってくることが一般的です。このような効率性は、地域医療体制の強みといえます。 一方で、医師間でのフィードバックが少ない点が課題として挙げられます。「どうすればより良い連携が可能か」という具体的な提案が共有されれば、医療者としての成長に繋がるのではないかと考えています。この点は、私たち自身も改善を目指したい分野です。