投稿

7月, 2025の投稿を表示しています

悪人

イメージ
本当はサプライチェーンマネジメントの記事を書いていたのですが、進まない進まない。Geminiさんと一緒に学びましたが、難しい難しい。一休み一休み。 ってことで、今週末は選挙!3連休の真ん中にして投票率を下げている!!ワタクシ、土曜日も月曜日も仕事なので1連休ですからお気になされず。 さて、ネットを開けば、「医者は儲けすぎだ」「医療費が国家財政を圧迫している」といった言葉が並びます。(財務省さん、感情的にしすぎですよ?)選挙の季節には、候補者が「社会保障費が財政を食い潰している」「医療費の無駄を削減しなければ日本が沈む」と議論がネットで拡散されているのを、昼ご飯をかきこみながら見ております。 けれど、医療の現場は、そうした光景とは対照的です。私たちは、日々、患者さんの身体と生活、感情に寄り添い、どうすればその人らしく過ごせるかを考え続けています。便利なシステムも人工知能も、最後に患者のそばにいるのは人間の手と声です。夜間に呼び出されても、ターミナルの現場でも、誰かの人生の傍らに立つ仕事。それが医療職、介護職です。 なのに、社会の一部からは、まるで「無駄遣いの元凶」のように語られるのはいささか辛い。鈍感力が強い私が答えるので、共感力の高い医療関係はより辛いのでは?と思いを馳せております。そのたびに、真面目に働いている人たちが、何かを失っていく気がしてなりません。いや、現実的に真面目に働いている看護師さん介護士さんたちは、失望して現場を離れております。 (引用:漫画「鋼の錬金術師」) 「賃上げしても社会保険料で消える」は本当か? 近年、「給料が上がっても社会保険料が全部持っていく」といった声が強まっています。2024年4月には『日本経済新聞』が「賃上げ、社会保険料に消える」と報じ、社会に大きな波紋を呼びました。 このフレーズは、生活実感に寄り添うようでいて、実際には誤解を招く表現です。総務省の 「家計調査」 によれば、39歳未満の勤労世帯では、2018年から2024年の6年間で月額社会保険料は約6,200円増加しましたが、同期間に世帯主収入は33,341円増加しています。保険料の増加はその18.6%にとどまり、収入の大半はきちんと可処分所得として手元に残っているのです。(経理・総務をしている方なら当然ご存知ですが、保険料率が18.3%だからですね) 会社が社会...

バージョンアップ・マザー・テレサ -ケースカンファの学び-

イメージ
「思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。」 「言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。」 それは、かの有名なマザー・テレサの言葉ですね。

医療のコンビニを目指す江口医院がセイコーマートをおいしくいただきます! 第16回日本プライマリ・ケア連合学会学術大会 2025

イメージ
北海道で開催された「日本プライマリ・ケア連合学会」。 ネットで開催していることを突然知り、訪問診療の車の中で参加登録、クレジットカードで支払い、遠隔で領収証をプリントアウトして、ひーひー言いながらなんとか参加しました。 その特別企画のひとつに、異色ともいえる講演がありました。登壇されたのは、北海道を代表するコンビニエンスストアチェーン「セイコーマート」の株式会社セコマ会長、 丸谷智保氏 。めちゃくちゃ面白い! 講演タイトルは、「都市と郡部、『そこ・そこ』にふさわしいサービスとは」。 医療とは直接関係のないように思えるこのセッションが、私にとってはもっとも“医療的”で刺激的な内容だったと感じました。 セコマはなぜ「地域インフラ」となれたのか? セコマは、北海道に1090店舗(2025年3月時点)を展開し、道内人口カバー率99% という驚異的なネットワークを誇ります。都市部だけでなく、過疎が進む郡部にも店舗を構え、「この店しかない」という地域も少なくありません。住民にとっての 生活の“最後の砦”になっているとのこと。 この状況は、 医療の現場、とくに地域医療・へき地医療が抱える課題と非常に似ている と感じました。 (引用:漫画「ヴィンランド・サガ」) 「一つひとつのニーズに応える」という矛盾 セコマの戦略は、商品ラインナップや営業時間、物流ルートなどを 地域ごとに柔軟に調整すること にあります。 IR情報 を後ほど見てみても、社の強みを 「サプライチェーン」 としているようです。 ただ、それは当然ながら オペレーションの複雑化 を伴います。 「一つひとつに応えたい」けれど、「何でも屋」になってしまえば持続可能性が失われる。このジレンマは、 医療にもそのまま当てはまる問題 です。 江口医院でも、「医療のコンビニエンスストアでありたい」と思いながら、実際は 保険診療の制約 により、自由度が限られています。価格を自分で決められず、個別対応のコストも患者に転嫁できない――これが「便利な医療」が広がらない一因です。 医療と物流 物流の話になると、一部、医療との共通点が見えてきます。 セコマは、片道配送にならないように 袋に商品を入れて戻す 工夫や、 自社製造+外部委託のハイブリッド体制 で、効率と柔軟性を両立しています。 江口医院の訪問診療...

“良い臨床家を諦める”という覚悟 ──佐賀大学総合診療部同門会に参加して

イメージ
土曜の早朝は訪問診療、午前は外来へ。そして昼過ぎ、歩いてマリターレ創世佐賀へ向かいました。5分程度の距離なのですが、一瞬で汗だくになりましたね。疲れてはいましたが、この日の「佐賀大学総合診療部同門会」はとても楽しみにしていました。私を育ててくれた医局や先輩方。今も現場の最前線で奮闘する仲間たち。その姿に触れておきたいと思いましたし、課題の共有ができれば嬉しいなと考えつつ参加しました。 同門会では、研究の一般講演と、佐々木先生の特別講演がありました。本村先生の非感染性炎症性疾患についての研究も臨床にすぐに応用できそうな内容で刺激的でした。また現在当院にも関わっていただいている香月先生と、東邦大学総合診療部の佐々木教授の講演もありました。  香月先生の発表では、 大学での研究をチームで行う というお話。研究と臨床、研究と学生、研究と…と様々なポイントでコラボレーションしつつ、研究マインドを育てているとのことでした。そのかいもあって英語の論文は毎年20本発表できている、佐賀大学の中でもまずまず発表できている方だとのことでした。 「一人一症例にに取り組むことを課題としている!」とプレッシャーが会場内に響き渡りました(笑)。その積み重ねが教育にも、研究にもつながっていく。研究者としては、若手に学位取得の道を提示しながら、チームで支える姿勢を強調されていたのがとても香月先生らしく、背筋が伸びる思いでした。  その後の講演で登壇されたのが、東邦大学の佐々木先生でした。 タイトルは 「なぜ大学で総合診療をやるのか」 。 一番、なるほどと共感したフレーズは、  「私は“良い臨床家であること”を諦めた。」  この覚悟はすごい!ことだと思いました。大学病院より市中病院のほうが総合診療医の能力は正直生きるんですよね。臨床能力って言うのはある意味医師のプライドの一つではあるのですが、割り切れるところが心より凄いと思いました。いや、ジレンマを感じているとのことでしたので、割り切れてないのかもしれませんが。 大学病院という環境で、研究・教育・臨床の“ジャグリング”を続けるなか、自分自身の臨床力が低下していく実感と向き合いながら、それでも「育てる」ことを選び続ける──。これは並の覚悟ではありません。ただし、教育のスキルっていうのは、医師のキャリアでいうと汎用性が乏しいんですよね(現...